座布団用語集 た行

台張り(だいばり)

座布団を作る工程で、シート状の綿を何重にも重ねていくこと。

綿には、縦に裂けやすく横に裂けにくい性質があるため、お互いの弱点を補うために縦・横交互に重ねる。
均等な厚みに綿を重ねるには熟練の技が必要となる。

竹座布団(たけざぶとん)

竹を編んだり、竹の短冊を糸でつないだものをカバーとした座布団。

竹独特の冷感があり、夏座布団として用いられる。
省エネ・節電対策用品としても人気が高い。
扇風機を併用することで冷感が増すため、冷房が苦手な人などにもおすすめ。

足し房(たしふさ)

=増し房 房に豪華さや、宗教的な荘厳さを与えるために、別に作られた房を足すこと。
祝寿座布団や法要座布団などに良く用いられ、四隅の締め糸に付ける。

だるま座布団(だるまざぶとん)

商売繁盛などの縁起物である「だるま」の下に敷かれる座布団。

だるまの原型は、江戸時代に人気のあった「起き上がり小法師」で、赤い法衣に身を包んだ達磨法師に見立てたのがそのはじまり。
赤色のだるまが天然痘の症状を軽くするとの噂が広まったことにより流行した。
起き上がり小法師という特性から考えると、本来だるまには座布団を敷くべきではないが、販売時などの転倒防止のために敷かれるようになったと思われる。

団地サイズ(だんちさいず)

銘仙判(サイズがヨコ55cm×タテ59cmの座布団)の俗名。
もともとは公団住宅に合わせた小さめの畳や家具のことを「団地サイズ」と呼んでいたが、いつしか小さめの座布団ことも指すようになった。

茶席判(ちゃせきばん)

サイズがヨコ43cm×タテ47cmの座布団。

主にお茶の席で使う座布団であることからこの名が付いた。
正座で座るのには最低限の大きさの座布団。
玄関や縁側に来られた来客用としても便利。

縮緬(ちりめん)

布の表面に細かな縮みのある絹織物。

経(たて)糸に撚り(※ねじって糸を絡ませること)を入れない生糸を、緯(よこ)糸に強く撚った糊付けの生糸を用いて平織し、その後、ソーダを混ぜた石鹸液で数時間煮沸することで、布が縮む。
肌触りが良く、染色しやすいため、着物の生地としてよく用いられる。
西陣、丹後ちりめん、長浜ちりめんなどが有名。しぼ(※布の表面の凹凸)の細かい「古浜ちりめん」「一越ちりめん」などもある。

つばくろ綿入れ(つばくろわたいれ)

別名:つばくろ貼り綿入れ。

綿入れ(※別項を参照)の方法のひとつ。
綿がひし形になるように折り重ねることによって、中綿がズレにくくなり
、座り心地も良くなる。サイズの小さめの座布団にも適している。

紬(つむぎ)

紡いだ木綿糸や絹糸を使って平織りした織物。

真綿やくず繭(まゆ)を手作業で糸状にした後、手織機で織り上げる。
糸となる素材そのものは上質ではないが、太く不規則に節が生じるため、それが味わいとして好まれる。
文様は縞や絣模様が主流だが、生産する地域によって柄・色合いなどが異なる。
鹿児島県の大島紬、伊豆八丈島の黄八丈、沖縄県の久米島紬、長野県の上田紬が有名。

露芝(つゆしば)

芝草に降る夜露を三日月形や丸などで表現した文様。

芝草に見立てた三日月を幾つも重ね、周辺を季節の花で飾る模様が主流。
古くから能楽の装束や着物の文様として使われている。
露の表現が涼しげであることから、特に夏の訪問着として好まれるが、すすきや菊など秋の草花や雪景色を描いたものもあり、季節を問わず着こなせる。

手鞠(てまり)

丸めた綿に色鮮やかな糸を巻いた手鞠(てまり)をモチーフとした文様。

手鞠は女児の玩具であったことから、子ども用の着物柄として好まれた。
手鞠の模様を一つ一つ違えるなど手の込んだものもある。
玩具を文様とした柄は「玩具づくし」と呼ばれ、笛や独楽(こま)とともに描かれたもの、男児用の玩具ばかりを集めたものなどがあった。

電気座布団(でんきざぶとん)

電気(ヒーター)を使って暖める冬用の座布団。

ホットクッション、ミニホットカーペットとも呼ばれる。
スペースを必要とせず、手軽に使えるため、冷え症の人や一人暮らしの人にも人気が高い。
【使用時の注意点】本体そのものの洗濯ができないため、専用のカバーが必要となる。
布団の中に入れるなど就寝時の使用は、火傷や火事の原因となることもあるため避けること。

電車座布団(でんしゃざぶとん)

電車の座イスで使われる生地を使った座布団。

鉄道会社が一般向けに販売している。
座イス独特の肌触りやお馴染みのカラーが楽しめるため、鉄道マニアの間で人気が高い。
かつて西武鉄道、東武鉄道、阪急電鉄などで販売された。

綴じ糸(とじいと)

座布団の中綿がずれないようにするために、座布団の中央と四隅に通す糸。 締め糸ともいう。
綴じ糸は、飾り房となっている場合が多い。
(※詳しい説明については「締め糸」の項を参照)

緞子(どんす)

異なる種類・色の練糸を経(たて)糸と緯(よこ)糸に使用し、織り上げた絹織物。

模様の部分を経糸だけ、または緯糸だけで織っているため※繻子織しゅすおり)、模様が際立って見える。
また、表に出ている糸(色)は裏には出ず、裏に出ている糸は表には出ないため、裏表では逆の柄になる。
布団・座布団には薄地のものが用いられ、金襴と並んで高級品とされる。
布地の表面は引っかかりやすいので、扱いには注意を要する。

緞子判(どんすばん)

サイズがヨコ63cm×タテ68cmの座布団。

婚礼用の和布団などに用いられる「緞子織」が名前の由来で、生地の表面に光沢があるのが特徴。
見た目に華やかで、カラフルな柄のものが多いため、お祝いの贈り物に最適。