5.座布団の打ち直し

綿わたを使った座布団は、長年使っていると弾力性が失われ、干してもペシャンコのままに元に戻らず、座り心地も悪くなります。主に綿同士が絡み合い硬くなることが原因です。
こんな時には打ち直しをおすすめします。

・打ち直しをするその前に…

打ち直しをするその前にいくつか試して欲しいことがあります。
ひとつは「夜露干し」という昔ながらのお手入れ方法です。
「夜露干し」は、晴れの日が続く夏の土用の日の頃に行うもので、水分が天敵の座布団を一晩中外に出したままにし、わざわざ夜露にさらします。そして何日か取り込まずに出したままにします。
こうして夜露に濡れる→昼間太陽に当てるというのを繰り返しているうちに、ふっくらしてくる場合があります。
素材によっては変色する場合もあるので、心配な場合は大き目の布で覆って干すようにしてください。
もうひとつは座布団の丸洗い(※クリーニング業者に依頼)です。時折、座布団に染みついた汚れが原因で、綿が固くなることがあるからです。
それでもふっくらしない!こんな時は思い切って打ち直しを試してみましょう!

打ち直しができる座布団

中綿によって打ち直しができるものとできないものがあります。 ☆できるのは―木綿わた・混綿わた

打ち直しの工程

打ち直しでは次の作業を行います。(※以下は当社の打ち直しの工程です。) (→それぞれの工程の写真を入れると分かりやすいと思います)

  1. 綿のほぐし: 混打綿機と呼ばれる機械にかけ、硬くなった綿をほぐします。
  2. 除塵: ほぐしていく中で出てきた古い綿やゴミなどを取り除きます。
  3. オゾン処理: 自然大気の中に含まれるオゾンを綿に吹き付けます。これにより綿を殺菌します。 ②の工程と同時に行います。
  4. カード工程: カード機と呼ばれる機械にかけ、ほぐした面の繊維を整えながら、薄く幾重にも重ねてシート状にしていきます。
  5. 2回目の除塵: さらに細かいホコリを落とします。④の工程と同時に行います
  6. 殺菌処理: 150~180度の熱風を当てます。⑤の工程と同時に行います。
  7. 仕立て・足し綿: 打ち直された綿を職人が仕立てます
  8. 各工程で減ってしまった綿もこの時に足します。足し綿はまさに職人の腕の見せ所! 綿の状態を確認しながら、適切な量を判断し足していきます。 また良質の綿を使用することも重要なポイントです。
  9.  当社で使用している綿についてはこちらでご覧いただけます。
     →http://www.watayamori.co.jp/hpgen/HPB/categories/29018.html