座布団のマナー 3

結納での座布団マナー

正式な結納では、まず男性宅に仲人夫婦が訪れ結納品を受け、その足で女性宅に向かいます。
いずれの先でも仲人と、男性・女性が結納に則した口上(決まり文句)を述べますが、この時、口上を述べる側も受け取る側も、座布団を後方か下座に外します。
式中、何度も繰り返し口上を述べるため、その度に座布団を外すことになりますが、それが手間だと感じる場合は、最初から座布団を外しておいても構いません。
座布団を外しておいた場合、結納が終了した後、祝宴が始まる前に座布団を準備します。
自宅で行う場合は、女性が座布団やお茶などをお出しします。

葬儀での座布団マナー

葬儀には仏式・神式・キリスト教式などがありますが、ここでは仏式で一般的な「座礼焼香」を行う場合について説明します。(※宗派によって焼香の手順や作法が大きく異なる場合があります)

【座礼焼香の方法】

  1. 自分の順番が来たら次の席の人に会釈をし、遺影の近くまで腰を低くして近づきます。
  2. 最前列まで来たら遺族に一礼し、焼香台の前の座布団までは床に両手をつき、膝を交互に動かしながらにじり寄るようにして進みます。(※この進み方は「膝行膝退」と呼ばれています)
  3. 座布団の後方で遺影に一礼し、膝行により座布団の中央に座ります。
  4. 宗派に応じて焼香を行い、最後に合掌した後、両手をついて座布団の後方に降ります。
  5. そのまま一、二歩膝退し、僧侶や遺族の方に向きを変えて一礼します。
  6. 低い姿勢のまま立ち上がり、自分の席まで戻ります。

Q&A 知っておきたい和室のマナー

Q:お土産はいつ渡す?

A:手土産がある場合はあいさつの後、座布団に座る前に渡します。
(※魚のような生ものや土のついたもの、アイスクリームなどすぐに冷蔵庫に入れる必要があるものなどは、玄関でお渡ししてください)
相手が離れた場所に居る時は、一度立ち上がって近づいてから渡し、渡し終えた時点で自分の席の方に戻ります。
紙袋や風呂敷に包んでいる時は品物を出してから渡します。この時、外した紙袋や風呂敷は手早く下座に置きます。紙袋ごと差し上げる場合も品物を出して、紙袋はたたんで品物の下に添えて渡します。

Q:上座・下座ってどの方向?

A:和室で床の間がある場合、床の間の方向が上座です。
床の間が無い場合は、入口から遠い方が上座です。下の一例を参考にしてください。(※数字の小さい方が上座です)

Q:荷物の置き場所は?

A:自分の脇か後ろ側に置きます。バックは地面に直接置くことも多く不潔ですので、机の上に置かないようにしましょう。
コートを着ている場合は玄関であいさつをした後、案内されてから脱ぐようにします。
脱いだコートは、たたんだ状態で玄関に置かせていただくか、他の荷物とともに手元に置いておきましょう。

Q:他に和室で注意することは?

A:歩く時、座布団はもちろんのこと、和室の敷居や畳の縁も踏まないように注意して歩きましょう。
敷居や畳の縁を踏んではいけない理由については、踏むと家の傷みが早くなる、武士の身の保護のため(床下に潜んだ忍びが畳の隙間から刺すことがあったため)など、諸説があるようです。