4.お客様用座布団の保管法

めったに使わないお客様用の座布団。押し入れに入れっぱなしにしておくと、カビやいやな臭いがする原因になります。
まずは使ったそのままの状態で押し入れに入れないこと。さらに時々、お手入れをすることが大切です。

押し入れに入れる、その前に…

座布団に湿気は禁物です。使った後はよく干して、湿気を座布団の中から追い出しましょう。
(干す際の要領は別記を参照してください)
数がたくさんあって外に干せない場合も、布団乾燥機やクーラー、扇風機などを利用して、風をしっかり当ててから片付けます。
座布団カバーも湿気がこもる原因になるので、必ず外すようにしてください。
また押し入れなどが湿っていると、せっかく干した座布団が台無しになるので、押し入れの中も充分に乾燥させます。
すのこなどを下に敷いたり、押し入れ用の除湿剤・防虫剤を設置するなどの工夫も必要です。

ビニール製圧縮袋を使う場合

保管スペースがあまりない場合、押し入れの湿気が高い場合は、ビニール製圧縮袋での保管する方法もあります。袋は大きめのものを用意し、座布団を充分に乾かしてから入れてください。
ただし圧縮袋を使った場合、中綿の弾力性が大きく失われるため、来客予定のある前日~数日前には取り出して、1日3~4時間、天日または日陰干しを行いましょう。

保管中の注意点

圧縮袋を使っている場合をのぞき、天気の良い季節には、時々押し入れから出して自然の風を当てたり、押し入れのふすまを開けて空気の通りを良くします。
除湿剤や防虫剤の交換も忘れがちになりやすいので、封を開けた時に表に日付を書いておくと交換時期の目安になります。

※面倒なメンテナンスはプロ業者におまかせ!

「座布団の手入れって割と手間がかかるなあ」「忙しくて座布団のことにまで気を回せないなあ」
そんな時は、プロの業者にまかせてしまうのも一つの方法です。たとえば家で洗うと面倒な洗濯も、クリーニングに出せば型くずれや色落ちの心配もなく、座布団を清潔に保てます。
また、お客様用座布団を保管する場所がないという場合、必要な期間だけ座布団をレンタルしている業者や、座布団の保管サービスを行っている業者に頼むと便利です。

クリーニングに出す時は、シミになりそうな汚れを固くしぼった雑巾などで、軽く汚れを落としてから出しておきます。また表面についたゴミなども、手で軽く払っておきます。
座布団のクリーニングを行っていない業者もあるので、ホームページなどで確認してから依頼しましょう。布団やカーペットのクリーニングを行っていれば、たいてい座布団のクリーニングも受け付けています。

☆知ってなるほど!座布団にまつわる豆知識☆
国技館を舞う座布団




大相撲では横綱が格下の力士に負けた際に、観客が金星をあげた力士を祝って、座布団を投げる「座布団の舞(ざぶとんのまい)」が行われます。
この習慣は明治時代からのもので、それまではご祝儀が投じられていました。

ところが両国国技館に会場を移したのを機にご祝儀を投げることは禁止に。その代わりに投げられるようになったのが座布団でした。
このように古くからの恒例行事ではありますが、飛ばされた座布団が当たると大変危険なため、現在では「座布団や物は投げないでください」と場内アナウンスされるように。
それでも時折、国技館を舞う座布団がまだまだあるようです。