座布団用語集 ま行
まる(まる)
四隅が丸くなっている座布団の形。
角綴じ(※別項参照)を行う際、角を折って箱型にして綴じる方法。 手縫いの座布団で用いられる方法で、味や風情があることで好まれる。(→「はこ」の項目も参照のこと)
丸洗い(まるあらい)
寝具・着物などの縫製をほどかずに、そのまま洗濯すること。
または目立つ汚れが一部の場合でも、全体を洗うこと。 布団や座布団を丸洗いする場合は、中綿が偏ったり傷んだりするのを防ぐため、専門業者に頼んだ方が無難。 丸洗いすることによって、弾力性を失った中綿が回復する場合がある。真綿(まわた)
絹の材料でもある繭(まゆ)から作られる綿。
繭をほぐして綿状にしたもの。 元々、単に「わた」と呼ばれていたが、木綿が普及したことにより、それと区別するために「真綿」と呼ばれるようになった。 白くて光沢があり、やわらかい肌触りが特徴。 保温力も高く、防寒具などの中綿としても利用される。
無撚糸(むねんし)
糸をつむぐ際に生じる捻れ(ねじれ)や撚り(より)の無い糸。
通常、糸は絹や木綿などから細い繊維を引出し、ねじることで糸となるが、無撚糸では素材や加工時の工夫により、撚らずに繊維を束ね、1本の糸にする。 ねじれによる硬さが無いため肌触りがやわらかく、ふんわりとしているのが特徴。 吸水性・吸湿性も高いためタオル地などにも用いられる。
紫座布団(むらさきざぶとん)
紫色の座布団。1972年頃、紫座布団に座ると病気が早く治るという噂が広まり、流行したこともある。 現在では、法事に使用するものは「法要座布団」、お祝いごとに使うものは「長寿座布団」、寄席などで使うものは「高座座布団」と呼ばれている。 紫は平安時代には、高貴な身分の人しか使用できなかったが、その後、染物技術の発達で明るい紫色が出せるようになると、誰もが使える「ゆるし色」となった。
銘仙(めいせん)
表裏のない平織の絹織物。
主に伊勢崎・秩父・足利など、養蚕が盛んな地域の冬の産業として発展。 玉糸(節のある太い生糸)や、くず糸などでざっくりと織られ、安くて丈夫だったことから、明治時代から昭和にかけて庶民の普段着や作業服として人気があった。 和服地のほか、布団・座布団の生地としても用いられ、後に銘仙判(※別項を参照)の名前の由来にもなった。
銘仙判(めいせんばん)
サイズがヨコ55cm×タテ59cmの座布団。
昔の座布団(八端判)よりも少し小ぶりなサイズで「団地サイズ」とも呼ばれる。 「銘仙」は織物の名前。最も流通しているサイズのため、座布団カバーの種類も豊富。 インテリアにこだわりたい人にもおすすめ。
夫婦判(めおとばん)
サイズがヨコ67cm×タテ72cmの組み座布団。
青系の男性柄と赤系の女性柄が2枚一組セットになっている。 婚礼の席など、夫婦(カップル)専用の座布団として用いられる。 絹で作られたものが多く、高級感もある。仏前で使用する場合、男性柄は紫色が好まれる。 サイズが大きめで中綿もたっぷりと使用されているため、落語家が使う「高座座布団」として使われることもある。
綿打ち(めんうち)
収穫した綿花を綿にする作業工程のひとつ。
綿をほぐしてふとん綿や綿糸となる素材を作ること。 収穫されたばかりの綿花には種が付いているため、取り除くために綿繰り(めんくり)という作業を行う。 綿繰りされた綿を綿打ち機などでほぐすことで、弾力性のある綿ができる。 機械化されていなかった時代には、「綿打ち弓」と呼ばれる弓状の道具を使用。 弓を小槌で打って微細に震わせ、弦(絃)に絡まる綿を少しずつほぐしていた。
モダール(もだーる)
木材や草などの植物から作られるパルプを原料とした天然素材。
吸湿性が高く、シルクのようなツヤと肌触りが特徴。土に埋めることで分解・消滅するため、エコ素材としても注目を集めている。 シワになりにくく、洗濯しても風合いが損なわれないことなどから、肌着・布団・座布団など布製品の素材としても用いられる。
木綿判(もめんばん)
サイズがヨコ51cm×タテ55cmの座布団。
「団地サイズ」と呼ばれる銘仙判よりも、さらに小スペースで利用できる。 収納スペースの少ないマンション住まいの方に人気。 比較的安価な素材で作られたものも多い。